わたしたち兄妹が生まれたのは川の近くの林。そして、ある夏の日に
どこかへ飛んでいくわけです。どこへ飛んでいくかは風次第・・・。
どこかへ飛んでいくわけです。どこへ飛んでいくかは風次第・・・。
わたしと兄とは、一日違いで、ある建物の窓へ突入。
わけがわからなくてじっとしていると 女の人が、高い声を発しながら
近づいてきて、わたしたちを拾い上げました。
そして、気がつけば透明な入れ物に入っていて、食べ物 をもらっていました。
朝・昼は透明な入れ物から脱出し、植木鉢の土を掘ってもぐったり、
外の空気の漏れてくる窓の近くを歩いたりして姿をくらまします。
お腹がすくと、《オナカスイタ~》と女の人にさりげなくそっと近づいていきます。
だいたい女の人は、「アッ」といって笑います。そして、
グレーの背の高い大きな箱から、トマトだのスイカだのを出してきて、
スライスし、サーブしてくれる。わたしはトマトが大好き。
(あ、心配しないでください、わたしたちトイレの癖は良いのですよ、笑)。
そうして夜が来ると蛍光灯の光に向かって飛行してみたり・・・。
(これが楽しい。なんといっても得意技ですから。)
わたしたち、運が良かったといえます。わたしたち虫を好きになるのは
だいたい子ども達。
おとなの女の人は大概好きになってくれないと習っていましたが、
あの人には子どものような心があるんでしょうか。
近頃は、兄は行方不明になりわたし一人です。
女の人は、わたしがじっと動かないでいると「生きてる?」
と声をかけてきます。
あんたたちが一年中いたら楽しいのになぁ。とも、
この間つぶやいていました。
気楽に生まれてきたり、また、死んでいったりするんです(笑)。
今宵はお月見。
また来年か再来年。。 楽しみにしていてください☆
飼育しているコガネムシ(アオドウガネ)の視点(?)から書いてみました(^^)。
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